特許出願・申請の拒絶査定不服審判とは?
拒絶査定不服審判とは?
特許出願の審査において拒絶理由が通知され、出願人が補正書等を提出して応答しても、最終的に拒絶理由が解消されないと、審査官により拒絶をすべき旨の査定(
この拒絶査定に不服がある特許出願人は、拒絶査定の謄本の送達があった日から3か月以内に審判を請求することが可能です。この審判を といいます。
なお、2022年に請求された拒絶査定不服審判の件数は19,647件(前年比+2,753件)です。
拒絶査定不服審判では、主に3人の審判官で組織される合議体で審理され、過半数である2人以上の審判官の意見で判断が決定されます。審判官には審査官としてそれなりの長い間審査を経験しないとなれません。
審判では、審査官がした拒絶査定がほんとうに適切に行われたかチェックされ、拒絶査定を維持できるかどうか審理されます。
拒絶査定不服審判を請求するのと同時に補正をすることが可能あり、補正される場合が多いです。ただ補正できる範囲は、最後の拒絶理由通知に対する補正と同じく厳しめです。
補正された場合には、いきなり審判官に審理させるのではなく、拒絶査定をした審査官に補正で変更された内容なら特許を認めてもいいかどうか再審査させます( といいます。)。発明の内容をわかっている審査官が再審査したほうが早く審判請求を処理できるからです。
再審査した審査官が、拒絶査定を維持できないと判断した場合には、拒絶査定を取り消して、特許査定をします(2022年の前置審査の結果、57.5%,9,604件)。
拒絶査定をまだ維持できると判断した場合には、審査の結果を特許庁長官に報告して、あとの処理を審判官に任せます(2022年の前置審査の結果、42.5%,7,096件)。
審判官が審理した結果、拒絶査定の理由が不当であると判断し、新たな拒絶理由もみつからない場合には、拒絶査定が取り消され、審判の請求を認める旨の
拒絶査定の理由が妥当であると判断した場合には、審判の請求は成り立たない旨の が行われます。
=請求成立件数/(請求成立件数+請求不成立件数(却下件数含む))は (前年比+2%)です。「請求成立件数」には、上記の前置審査の結果、特許査定となった件数は含まれません。
この「平均審理期間」は、審判を請求した日(前置審査が行われた場合は審判部に移管された日)から、審決の発送日まで、取下げ・放棄の確定日まで、または却下の発送日までの平均期間です。
なお、審判請求人が中小企業、個人であるなど所定の要件を満たす場合には、審理を早めてもらう の申請が可能です。2022年の早期審理の平均審理期間は です。
特許出願の早期審理ガイドライン(特許庁)(PDF4.03MB)
拒絶審決に対して不服がある場合には、拒絶審決の謄本の送達があった日から30日以内に、特許庁長官を被告として
を知的財産高等裁判所に提訴することが可能です。拒絶査定不服審判について(特許庁)
特許庁ステータスレポート2023 第1部 数字で見る知財動向 第1章 我が国の知財動向 拒絶査定不服審判関連統計(PDF2.08MB)
特許庁ステータスレポート2023 第2部 2022年の施策成果 第1章 審査・審判(PDF2.91MB)