特許法等の一部を改正する法律案などが可決

特許法等の一部を改正する法律案などが可決

第177回通常国会に提出された「特許法等の一部を改正する法律案」,「不正競争防止法の一部を改正する法律案」が、参議院で可決された後、本日、平成23年5月31日に衆議院の本会議で可決され、成立しました。
特許法等の改正の概要は、通常実施権の登録対抗制度の見直し、共同研究等の成果に関する発明者の適切な保護、中小企業等に対する特許料の減免期間の延長、発明の新規性喪失の例外規定の見直し、紛争の迅速・効率的な解決のための審判制度の見直しなどです。
不正競争防止法の改正の概要は、営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟手続において、営業秘密を適切に保護するための措置等です。

この後、法律に法律番号が付与されて、法律を国民一般に周知させるために公布されることになります。

そして、公布の日から起算して1年(不正競争防止法のほうは6月)を超えない範囲内において政令で定める日から、法律が施行される(法律が現実に発動し、作用する)ことになります。
特許法等の改正については、もう少し詳しく弊所サイトで後日説明する予定です。

なお、平成23年度知的財産政策関係予算案の概要の重要項目4において特許申請の審査請求料を約25%程度引下げることが挙げられ、また、特許庁長官が広報誌(「WEBとっきょ平成23年5月号」)のインタビューで2011年度に審査請求料を25%程度下げることを述べております。
特許出願の出願審査請求料の引き下げは、特許法等関係手数料令という政令の改正により行われると思われますが、この政令の改正の内容や公布,施行日などについてはまだ検討中であるとのことです。
また、予定されていると思われる国際出願の調査手数料等の引下げや中小企業などの減免対象要件を証明する書類の簡素化などについても、政令の改正を待つ必要があると思われます。

追記:
議事経過 第177回国会(平成23年5月31日)(衆議院公式サイト)(リンク先消滅しました。)
閣法 第177回国会 45 特許法等の一部を改正する法律案(衆議院公式サイト)(リンク先消滅しました。)

追記(6/4):
改正法の公布は官報に掲載することで行われますが、公布の時期は法律が成立してからだいたい1週間後程度であることが多く、6/7前後ではないかと思われます。
例えば、5月27日に成立した民法等の一部を改正する法律は6月3日付の官報に掲載されて6月3日に公布されました。

追記(6/8):
特許法等の一部を改正する法律は平成23年6月8日に法律第63号として公布されました(平成23年6月8日付官報(号外第121号)4頁)。
不正競争防止法の一部を改正する法律は平成23年6月8日に法律第62号として公布されました(平成23年6月8日付官報(号外第121号)3頁)。

2011年05月31日 |

カテゴリ: 知的財産関連


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